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名鉄 1380系 モ1384
名鉄1380系 1384  名鉄犬山駅 2008.4
モ1384 (一般車化) 1993年8月
(2003.10)
日本車輌 製
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
19.850 2.740 3.880 37.0
駆動方式 制御器(電圧) モーター(kw) ギア比
平行カルダン ACRF-H875-758D
1500V/DC
TDK-584-Er
75×4
82:17
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車(製造)
HRDA-2 119(51) PRU-4013
52500kcal/h×1
SS-126B
(住友)

最高運転速度120→110Km/h

鉄道車両諸元表(電車):出典は鉄道ピクトリアル 「鉄道車両年鑑2004」No753

パノラマカーの末裔(まつえい) 名古屋鉄道 1380系 モ1384

 2002年9月26日
 新岐阜発豊橋行きの特急として走行していたパノラマスーパー1030系第4編成は、
奥田駅と大里駅の間にある大里8号踏切付近において普通乗用車と衝突脱線しました。
名鉄 1030系 モ1133
名鉄1030系 モ1133 特別車  東枇杷島駅 2008.4

踏切内で脱輪し脱出できなかった乗用車が、なんと線路上を走行したことにより、
列車が乗用車に追突したという前代未聞の事故でした。
乗用車の運転者及び列車の乗員、乗客約900人のうち24人が死傷する惨事となり、
「ああ、あの事件か。」とご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

 特別車となる先頭2両(1134-1184)は、あわれ廃車。
残る普通車4両も、新造の代替特別車をあてがわれることもなく、
赤一色の一般車に格下げ、4両編成で新たな仕事に就くことになりました。
 パノラマスーパー系列の車両としては、最終グループとなる第4編成でしたが、
10年にも満たないうちに特急運用から離脱することになったのは、
気の毒な気がしてなりません。
←豊橋 岐阜→
1134 1184 1384 1334 1584 1534
特別車 一般車
事故廃車 1380系に

でも、どうして、新造の代替特別車(2連)を名鉄は製造しなかったのでしょう。
一つには、すでに十分な数の1000系、1030系が存在しており、特急運用にすぐさま影響が出ることがなかった点が挙げられます。
加えて、当時名鉄は、2年後の2005年2月、中部国際空港の開業にあわせて、
空港連絡特急セントレア(2000系、2200系)を開発中でした。
在来型の特急車両を補填する余裕も、必要もなかったといえるでしょう。

とはいえ、特急セントレア2200系は、特別車2両+普通車4両という構成で、パノラマスーパー系列の特急と同じです。
1380系4両に、2200系特別車2両をプラスした編成もおもしろかったのではと思うのですが、それはなりませんでした。
空港連絡特急として、今までの車両にないイメージを求めたセントレアと在来型の特急車両を併結するのは、イメージダウンですし、
誤乗車の可能性もその理由として挙げることができるでしょう。
でも理由はそれだけではありません。それに加え、車両性能上の問題があったのです。
1380系は、前述のように、個性的な展望室をもつパノラマスーパー系列の車両としては、最終グループとなる第4編成でしたが、
1030系は、なんと性能上、異端であるが故に、先行して廃車された7500系パノラマカーの電気部品再生車両だったのです。
スペックをご覧ください。
モーターの出力は、75kwと低くなっています。
制御器のACRFとともに、これらは1963年に製造された7500系パノラマカーの再生利用品なのです。
2200系セントレアの制御器はもちろんインバータ制御です。
いかな応用範囲の広いインバータ制御とはいえ、40年も昔に製造された個性的な走り装置に協調して走らせることにどれほどの意味があるか。
考えてみれば、そんな無理をあえてする必要は感じられません。

名鉄 1030系 モ1533 名鉄 1380系 モ1584
名鉄1030系 モ1583         東枇杷島駅 2008.4 名鉄1380系 モ1584         名鉄犬山駅 2008.4
 
 かくして、1380系は、一般車として再出発することになりました。
パノラマスーパーの看板を降ろし、一般色に衣替えし、ミュージックホーンも撤去しました。
最高速度も120→110Km/hと抑えられ、落日の感は否めません。

名鉄 1030系 モ1383
名鉄1030系 1383         東枇杷島駅 2008.4

*乗務員扉があり、ここに車掌室があります。
1384では、これと後部の窓も撤去し、
1850系と同様の運転台を取り付けました。
再度、1384の画像をご確認ください。
*なお、1380番台を名乗ってはおりますが、
1380系ではありません。念のため…。

 しかし、新たに取り付けられた運転台は、1850系と同様のものとなりました。
JR西日本の115系などに見られる、切妻断面の運転台にでもなったら
まさに、悲劇的ですが、3000系タイプの運転台であっても、
彼のプライドは許さなかったでしょう。
パノラマスーパー一族のマスクを与えられたことは、
彼が、パノラマカ一の末裔である証でもあるのです。






−鉄道車両写真集−
名古屋鉄道 7500系パノラマカー  7000系パノラマカー
 1000系(1200.1800系) 1030系(1380系)
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参考文献;鉄道ピクトリアル  「鉄道車両年鑑2004」No753
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