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  名古屋鉄道 モ700形+ク2320形  2011/09/30 UP
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名古屋鉄道 モ700形702+ク2320形2323   撮影  1989.3?  黒野

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名古屋鉄道 モ700形702+ク2320形2323   撮影  1989.3?  黒野

名古屋鉄道 モ700形+ク2320形 

名古屋鉄道のモ700形は、デセホ700形として10両(昭和2(1927)年)~日車で新製されました。
制御器はES152B(電動カム軸式自動加速制御)、モーターはTDK516Aとなっており、
デッカー・システムと称されるE.E.社のライセンス製品(東洋電機製)で足周りを固めていました。
台車は釣り合い梁式のボールドウィン型(701 - 705が日車製。
706 - 710が住金製)で、車体は半鋼製となる昭和初期の典型的な車両です。

同型の電車に名古屋鉄道のモ750形があります。
これは、デセホ750形として10両(S3~4年)日車で新製されました。
700形の増備車となるもので車体外観はほぼ同じ。主要機器も700形に準じています。
ただ台車がST43からST56に変更され、車輪径が異なっていました。
後年、統一されましたので、事実上同じものと言っていいでしょう。。

さて名古屋鉄道というと中京圏を中心とした大規模なネットワークを持つ民営鉄道(JRを除く)ですが、
かつては多くの鉄道会社が存在しており、その歴史をひもといてゆくのも楽しいものです。
今回ご紹介する、モ700形はと言うと、もとは「旧名古屋鉄道」の電車です。

彼らの出身地となる西部線(旧名古屋鉄道→名岐鉄道)は、
東部線(愛知電気鉄道→現名古屋鉄道)を経て、東西直通運転されることになります。
これにともなって、1500Vに昇圧されたのですが、
700形は昇圧の対象とはならず、各務ヶ原線に転属してゆくことになるのです。
その後、散り散りとなった700形は600V各線を転々と渡り歩いて、
最終的に揖斐線・谷汲線に集結してゆくことになります。
(702 - 704=3両)(751・752・754・755・758・759=6両)

名古屋鉄道のク2320形は、愛知電気鉄道 電7形として10両(大正15(1926)年~日車)新製されました。
特急にも使用される固定クロスシートの高速車両でした。
名古屋鉄道に引き継がれ戦後も主力車両として活躍しましたが、後年電装を解除。
ク2320形2321 - 2327と改称され、翌年、瀬戸線へ全車が転属しました。
電装を解除されたのは、瀬戸線の架線電圧が低かったからです。
でも、その結果、活躍範囲が広がり、
そのうち1973年に、2325・2327が
1978年には2323・2326も揖斐線・谷汲線へ転じてゆくことになります。
ここで前述のモ700.750形とペアを組むこととなるのです。

モ700形は西部線。ク2320形は東部線と、生まれも育ちも全く違うのですが、
名鉄の旗の下、ともに彼らにとっては新天地である揖斐線.谷汲線で、一緒に手を携えて仕事をすることになったのです。

名古屋鉄道 ク2320形 2327
揖斐線・谷汲線へ転籍して以後、
雨樋の新設、客用扉の自動扉化、側窓のアルミサッシ化、客用扉の鋼製扉化等が施工されています。

揖斐線・谷汲線のワンマン運転開始(1984年)に伴い、
750形(754のみ1992)はワンマン化され単行でも使用されましたが、
700形についてはワンマン化されず、ク2320形と2両編成で使用されています。

モ780形が新製(1997~98)され、それに代替される形で
700形全車と750形(752・758・759)が廃車、モ700形は形式消滅しました。(ク2320形についても1997年に形式消滅。)

しかし、モ750形(751・754・755)については揖斐線、谷汲線が廃止となる2001年まで使用されました。
1928年から2001年まで、73年という長寿命だったわけですが、
名古屋鉄道の歴史をそのまま背負ったような車両が、21世紀まで活躍していたとは驚きとしか言いようがありません。
様々な車両が活躍できる懐の深い大規模なネットワークを持っていたからこその奇跡だったように思います。


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参考文献;鉄道ピクトリアル 「特集 名古屋鉄道」No246 1971.1 .
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