鉄道写真管理局 珍車ギャラリー
  京成電鉄 3600形VVVF改造車 3661F  2011/03/20 UP
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京成電鉄3600形 3661F E 3668                  撮影 2011.2  お花茶屋駅
京成電鉄3600形 3661F編成表    
←E上野、押上                   成田空港、ちはら台@→
3668 3621 3608 3601 3628 3661
M1c M2 T1 T2 M1 M2c
3621と3628は前後を入替たので、2+2+2で組んだように見える
京成電鉄 3600形(VVVF改造車)スペック 
モーター TDK-6170-A(東洋)           3700系と同じ
出力 130kw×4   ギヤ比 85:14        3700系と同じ
制御装置 ATR-H8130-RG633A-M (東洋)VVVF制御(回生付き)
                              3700系も同じ
駆動装置 TDカルダン駆動        3700系にはWNもあり
M台車 FS562           3700系はFS547またはFS517
ブレーキ MBSA                   3700系と同じ
1999年2月 M車改造  8月 T車改造
参考;鉄道ピクトリアル  「特集 京成電鉄」No787 2007.3
京成電鉄3600形 3661F E 3668           撮影 2011.2  お花茶屋駅

京成電鉄3600形 3661F −−バラしても使えない 2+2+2 −−

JRの場合、ローカル線の電化などに合わせて必要となる短い編成の電車は、
都市圏の長い編成をばらして組み替えることで捻出されました。
そこでは、中間車であるM車やT車を先頭車改造することが数多く行われています。
しかし、大手私鉄の場合、とりわけ在京大手では、
支線はあってもそれほど短編成の列車が多数必要というわけでもなく、
また朝ラッシュ時など、こまめに短編成の電車で増解結を行うことも人手がかかり、
かつスピードアップの妨げになるということから、
多少空席は目立っても長い編成のまま使い続けるのが普通になってきました。
つまり、JRとは逆に先頭車が過剰という状態になってゆくのです。

東急や京王などは、比較的旧式となる短い編成の電車については、
これを地方鉄道むけに改造し、転出させました。
ところが、京成はこの手を使うのには、少し遅れをとったようで、
興味深い電車が誕生することになります。
それが、今回ご紹介する3661Fです。

京成電鉄の3600形は 1982年に6連固定でデビューしました。
しかし1997年から1999年にかけて、これらを8連固定に変更することになったのです。
そこで、不足する2両分については
編成をばらしてそのMMユニット(2両分)を組み込むことにしました。
結果、6連×3本分から6ユニット(12両)を取り出し、6編成分に割り当てました。
かくして、めでたく8連×6本ができあがったのですが、
Tc(先頭車)が3本分=6両が宙ぶらりになってしまったのです。

ステンレス製の車体ですし、
まだまだ使えるので廃車なんてもったいなくてできません。
そこで京成電鉄は、この6両をすべてくっつけて1編成造ることにしました。
電動車はありませんから、制御器をはじめとした諸々の走行関連機器に加え、
モーターを装架した台車を用意しました。

この改修工事の段階で、増備されていたのは、
インバーター電車である3700形です。
よって制御器は3700形と同じく、インバーター制御となりました。
また3700形は両端にMc車を配置する構成になっていましたので、
それに倣ってTc車(3661.3668)も電装することになりました。
他はすべて、中間車となるわけですから、
6両あったTc車はすべて他の車種に変更されたわけです。
中間電動車ユニット(M1.M2)に生まれ変わる2両(3621.3628)はさておき、
中間付随車となるTc車2両(3601.3608)は、そのまま使っても良さそうなものですが、
3700形にあわせてこれもT1.T2となりました。

京成電鉄は、その車両形式については独自の考え方があり
T1もT2も、いやそれどころか、Mc車までも同じ3700形ということで、同形式となってしまいますが、
仮に他の会社の流儀に合わせたら、Tc車であった6両が6両とも別形式に生まれ変わったということになるでしょう。

当局の鉄道車両写真集に3661Fの6両すべてをUPしていますので、
ご確認いただけたらと思います。→京成 3600形VVVF改造車 3661F

6両とも別形式のように生まれ変わったといっても、
車体自体は大きく変わってはいません。

不思議なことにT2車であるのにもかかわらず3608には、パンタグラフが取り付けられました。
ですから、その姿から察すると、見た目は、2両編成が3つくっついたように見えます。
しかしそれらは、半固定の連結器でつながれており、バラバラでは動きません。
先頭車つまり@号車E号車以外の運転台は機能していないのです。

阪急や京阪などの場合、電車のフォルムが基本的に同じなので、
旧系列の運転台付き車両を新系列の編成に、うまく紛れ込ませています。
スチール製であることからも改造が容易で、
阪急の5000系なんかは運転台の痕跡すらない見事な改造車も存在します。(参考例−阪急5527
しかし、京成3600形の場合、
ステンレス製なのでこの手の改造には不向きなのです。
よって中間車として組み込まれている車両も
そのまま運転台を残さざるを得なかったのです。

そういうわけで、
3661Fは同じ車体をもつ同一形式の6両が、
同じ車体を維持したまま異なる6形式(6タイプ)に改造され、
それがなんと同じ編成にすべて組み込まれているという摩訶不思議な編成ということになります。

ついでにいえば、
インバーター電車に改造されている以上、
3600形を名のり続けるのは、無理があると思われますし、
だいいち他の6両編成と較べても運転台が付いている分定員も少なくなります。
運用する側としては使いづらい一面があることでしょう。
私だったら、3690形とか、別形式にしたいところです。

−鉄道車両写真集−
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運用が限定されているのか、あまり使用されていないということがあるのか。
そのへんの事情はよくわかりませんが、なかなか撮影できませんでした。
何回目のチャレンジになるでしょうか。
先日、お花茶屋で撮影していたとき、ようやく出会えました。
でも、このままでは、足回りが写りません。
冷たい雨が降る辛いコンディションでしたが、
上野駅からの折り返しをじーっと待ち続けてゲットしました。

思わずガッツポーズが出ました。


参考文献;鉄道ピクトリアル 「特集 京成電鉄」No787 2007.3 
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