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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR西日本213系 クハ212形100番台
ー ぺたんこマスクのウラには…−JR西日本 クハ212形100番台−213系登場− 1987年〜瀬戸大橋線開業1988年3月まで213系は1987年に国鉄が最後の新系列車両として投入したものです。 車体はステンレス製の近郊電車である211系をベースにしながらも2ドア車となっていることが大きな特色です。 一方、車両マニアとしての注目点は、国鉄の新性能電車として一般的なMM'ユニットではなく、1M (単独電動車) 方式を採用していることです。 211系が2M3Tを基本とするのに対し213系では1M2T (Mc - T - Tc') が基本となります。 短編成から長大編成までフレキシブルな編成が組めるよう211系と性能を合わせています。 主電動機はMT64。211系とは端子電圧の違いこそあれ出力は同じ120kw。 歯車比も5.19と211系と同一になっています。 制御方式も同じく界磁添加励磁制御。主制御器は、211系のそれを 1M 方式に対応させた電動カム軸方式の CS59を採用しています。 台車はDT50B/TR235B。205系から採用された定番の軽量ボルスタレス台車を引き続き採用、 パンタグラフもPS21と同じです。 もちろん違いはあります。213系では回生ブレーキが可能となっていますし、 2ドア車となったことから冷房装置は一般的なAU75(42,000 kcal/h×1台)ではなく、 パワーを抑えたAU79A(33,000 kcal/h×1台)を搭載します。 また、よりコンパクトにするためにMGではなくSIVを採用した点も見逃せません。 213系は1988年までJR西日本になっても製造は続きました。 なおJR東海にも213系在籍します。5000番台です。 こちらはJR東海のオリジナル車両であり、0番台を基本をベースに、2両編成 (1M1T) で制作されたものです。 213系はまさに国鉄末期となる1987年3月、岡山電車区に配備されました。 (3連 (Mc-T-Tc')×8本=24両) 約1年後に開業が予定されていた本四備讃線(瀬戸大橋線)用車両として先行投入され 宇野線 宇高航路連絡快速「備讃ライナー」で運用を開始しました。 さてステンレス製の車体には青(青23号)と水色(青26号)のラインが入りました。 これはJR西日本とJR四国のコーポレートカラーとして引き継がれています。 (JR西日本は青、JR四国は水色)。 瀬戸大橋線開業−1988年3月 〜2003年10月まで 1988年の瀬戸大橋線開業から213系は快速「マリンライナー」として活躍を始めました。 このときからクロ212が連結されるようになりました。 編成の組替えが実施され、 Mc-T-Tsc×3、Mc-T-Tc'×6、Mc-Tc'-Tc'×1となりました。 「マリンライナー」は大半の列車が9両という長大編成でスタートしたのですが、 運行開始当初から好評で、1時間に1本の運転では足りず、 1年後、1989年3月のダイヤ改正では、1時間に2本の運転となりました。 (大半の列車が6両編成) その際、クロ212×2を増備します。 すばらしい眺望を可能にするクロ212形の大胆なデザインは「マリンライナー」の顔とも言える存在で、そのイメージをリードするものとなりました。 (Mc-T-Tsc×5、Mc-T-Tc'×6、Mc-Tc'-Tc'×1) それでも多客時には不十分で、イベント対応の211系「スーパーサルーンゆめじ」までが動員されることになります。 これを含めて3連×13本=39両の陣容で「マリンライナー」はやりくりされることになりました。 211系との併結を可能にしたことがここで活きてきています。 211系「スーパーサルーンゆめじ」についてはこちらもご覧ください。 211系C13編成 好調なスタートをきった瀬戸大橋線でしたが、開業ブームが過ぎ、年々利用客は減少傾向をたどりました。 バブルの崩壊というより高速道路網の充実が大きいような気がします。 一方で朝夕のラッシュ時を中心に岡山−茶屋町間が混雑するようになり、 2ドア車である213系では列車の遅延が慢性化するという事態にもなってきました。 また開業以来15年間、海上を走行していたため塩害による傷みが激しいことから 2003年10月「マリンライナー」は新型の3ドア車(JR四国5000系/JR西日本223系5000番台)に置き換えられることになりました。 あわれクロ212形は15年でお役御免の憂き目を見ることになります。 クハ212形100番台登場−2003年10月以降 「マリンライナー」運用から外れた213系は、クロをすべて抜き取り5本が2両編成へ改められることになりました。 ここで生まれたのが クハ212形100番台 (T'c)です。 サハ213形へは普通鋼で新造された運転台が取付けられました。 (サハ213-7〜11→ クハ212-101〜105) 仕方なしに取って付けられたような、ペタンコのマスクですが、 私にとってはなかなか味わい深いのです。 運転機器を始め、すべて廃車されたクロ212のものを極力再利用しています。 運転台に近い先頭台車には運転に関わる様々な機器が取り付けられていますが、 これもまた再利用すべく、先頭台車ごと換装しています。 改造工事が約1年かけて実施され、全てワンマン対応車となりました。 加えて普通車編成の3本も2連へ短縮、計7編成がワンマン運転対応となりました。 3連×4本(Mc-T-Tc'×3 、Mc-Tc'-Tc'×1)、 2連×8本 (Mc-Tc') 新しい活躍場所は岡山近郊の区間。 山陽本線(和気 - 糸崎)伯備線(岡山 - 新見)、赤穂線(播州赤穂以西) 宇野線全線、本四備讃線(児島以北)。 2両編成は、主に伯備線、赤穂線、宇野線などでのローカル運用が多いのは言うまでもありません。 国鉄末期のことです。 マリンライナーを211系で済ませてお茶を濁すということもあったのではないか?と思われます。 でもそんなことをしたら、クロ212形を連結してもステイタスは全然違ったものになったような気がします。 普通車ではあっても、2ドアオールクロスシート車を従えたその姿こそ旅心をくすぐるのです。 マリンライナーの223系化はやむを得ない気はしますが、やはり、残念です。 ステンレス製車体は長寿命で且つ軽量です。 1M方式にしたことで、ますます軽量化が進み、軌道への痛みを抑えることが出来ます。 213系は保守費用を抑えたいローカル線にうってつけの車両と申せましょう。 JR西日本には115系の2連、105系の2連がまだ数多く残っています。 213系は最終的にこれらに取って代わり、最後の国鉄形となってゆくと思われます。 これは妄想ですが、213系がもっとも活かされるのは、「しなの鉄道」ではないでしょうか? 現在「しなの鉄道」では115系が活躍していますが、これらも遠からず廃車されると思われます。 その後釜には無理して新車を投入するのではなく、そのままJR東日本から211系を引き継ぐのが自然な気がします。 でも輸送需要から考えると2両編成が結構重宝されるのではないでしょうか。 そこで213系です。211系との併結運転も可能ですし、メンテナンスにおいても有利です。 軽井沢、小諸、そして上田といった観光の町を結ぶ「しなの鉄道」にあって、 2ドアオールクロスシート車は、今はなき165系に変わる価値ある存在となるのではないでしょうか。 参考文献:鉄道ピクトリアル 「鉄道車両年鑑2004年版」 2004年.10月 No753 の記事 |
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