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  JR西日本 211系C13編成 ーパーサルーンゆめじ  2010/08/23UP
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JR西日本 宇野線、瀬戸大橋線、予讃線用
 211系 3連 スーパーサルーンゆめじ C13編成 岡山電車区
←高松@
クロ212_1001-モロ210_1-クモロ211_1

H9.3 リニューアル化

−鉄道車両写真集−
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JR西日本 211系マリンライナー  クモロ211-1   高松駅 

JR西日本 211系C13編成 スーパーサルーンゆめじ

211系といえば、113系の後継車両として
国鉄末期に登場した近郊形電車です。
首都圏や名古屋圏の人々にとっては
おなじみの電車でしょうが、
JR西日本にはなんと3両しか存在しません。
それもイベント車両ですから、
まずはめったにお目にかかれないものでした。
-でした。…過去形です。
211系C13編成は廃車となってしまいました。

今回はこのまま忘れさられてしまいそうな
JR西日本の211系C13編成に
光を当ててみたいと思います。

国鉄も末期になりますと
引き継いでゆくJR各社の意向を反映した車両を
駆け込みで大量投入した
という気がしないでもないのですが如何でしょう。
211系は113系の後釜としては大変すぐれた車両です。
堅牢で長持ちするステンレスボディに加え、
抵抗制御ではあっても界磁添加励磁制御となる省エネ車両です。
当時の車両として最先端というわけではありませんが、
経済性、走行性能、居住性etc…トータルバランスに秀でた車両と申せましょう。

しかし JR西日本は113系の後継車両として
211系を大量投入するということは考えなかったようです。
なぜでしょう?
それは、丁度JRへの移行期である1988年4月に
瀬戸大橋線の開業があったことが原因ではないかと考えます。
瀬戸大橋線(茶屋町以北)の前身となる宇野線用の車両といえば、113系でした。
これらを一掃することはさすがに出来ませんでしたが、
快速マリンライナー用の車両を一手に引き受けたJR西日本は
これらを全ておNewの213系でまかなうことにしたのです。
特急列車を全てJR四国に任せた以上、
JR西日本としても瀬戸大橋線のイメージアップを図る必要があったのですね。
思い返せば213系は211系とそっくりのマスクです。

当然違いはあります。
外見的には117系のような2ドア転換クロスシート車
という点が大きな違いということになるでしょう。
しかし中身も大きく違うのです。
211系がMMユニットを持つのに対し、213系は1M方式です。
(ちなみに211系はMT-61=120kw、213系はMT-64=120kw)
基本編成は3連で1M2Tの構成です。
そんなわけで加速度は211系に及びませんが、
頻繁に停車しない快速列車に充当するわけですし、
当時の瀬戸大橋線の車両レベルとしては
必要十分な性能を持つものと判断されたのでしょう。

さてそんな213系が大量投入された岡山電車区に211系C13編成は投入されます。
211系C13編成には「スーパーサルーンゆめじ」という愛称が与えられました。
すべてグリーン車から構成されるイベント列車という位置付けです。
イベント列車である以上、
直流電化されたあらゆる線区での走行をこなさなければなりません。
列車本数の多い都市圏の走行も、
勾配のきつい山岳路線でもその活躍が期待されるわけです。
1M2Tの構成では力不足です。211系のパワーが必要と2M1Tで登場。
211系の仲間となります。
もっとも211系C13編成は、イベント列車使用ですから、
通勤電車である211系と同じマスクというわけには行きません。
さて、ここで注目していただきたいのは
211系「スーパーサルーンゆめじ」のマスクが
213系の先頭グリーン車であるクロ213とうり二つであるということです。

クロ212は、快速マリンライナー用に作られたグリーン車です。
でも総勢わずかに5両にしかすぎないのです。
閑散時ならいざ知らず、これでは繁忙期の需要に応えられません。
そこで、211系C13編成「スーパーサルーンゆめじ」の出番です。
これを2+1に分割。それぞれマリンライナーに充当することにしたのです。
普通、快速マリンライナーは、グリーン車を高松よりに連結します。
しかし岡山よりに211系スーパーサルーンゆめじのMMユニットを連結するということもしたのです。
これを目撃した私は、これはチャンスとばかりに高松での撮影を中断。
これに乗車しました。
今日は普通車にしておこうと思っていた人が、
「おっ!」と思ってグリーン車に変えた
という人がどれだけいたかはわかりませんが、
私にしてみれば思いもかけぬ楽しみを提供してくれた車両だなあ。
と思った次第です。

残念なことに快速マリンライナーは2003年に223系化し、
213系とともに211系C13編成は、その座を明け渡してしまいました。
現在のマリンライナーの編成を見ていただければおわかりいただけると思いますが、
クロハ223ともいうべき5100形は、
JR四国が制作するなどJR四国の意向が強く反映されています。
JR四国にとってドル箱列車であるマリンライナーをより高速化し
高速バスとの競争力をつけることは重要な施策であったということは納得できます。

しかし、213系と211系C13編成にとっては、
早すぎる引退をおしつけられたという気もするのです。

213系についてはサハを先頭車改造し2連用の1M1Tが登場するなど、
岡山近郊のローカル運用に第2の職場を見いだしました。
一方、211系C13編成「スーパーサルーンゆめじ」は
その後もしばらくはイベント列車用に活躍するのですが
活躍の場はそれほど与えられなかったようで
とうとう廃車されてしまいました。
JR東日本では、結構見られる電車のイベント列車ですが、
どうもJR西日本ではあまり需要がなかったようです。
JR西日本唯一のイベント列車用電車は、この時を最後に姿を消してしまいました。

同じマスクの兄弟クロ212-1がかろうじてu@techに転用されその姿を今にとどめてくれたのが、
せめてもの慰めというところでしょうか。

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参考文献;JR全車両ハンドブック 1995」 1995.8
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