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  JR東日本 211系 サロ213-1102  2017/06/30 UP
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高崎線宇都宮線用 211系3000番台 基本10両編成、C15編成
 高崎車両センター
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クモハ211_3047-モハ210_3047-サハ211_3093-サハ211_3094-クハ210_3047
-サロ213_1102-サロ212_1104-                  
                            クモハ211_3015-モハ210_3015-クハ210_3015 
参考 JR電車編成表’08夏号           撮影2007.8

-鉄道車両写真集-
 JR東日本 211系 1000番台 3000番台
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  JR東日本 211系 サロ213-1102  撮影2007、8  上野 

「485系の台車をはいたダブルデッカー」-JR東日本211系 サロ213-1102

211系(直流近郊形電車)は113系と115系に代わるフルモデルチェンジ車両です。
軽量ステンレス製車体やボルスタレス台車、応答性の高い電気指令式ブレーキ、
高性能かつ安価に回生ブレーキが使用できる界磁添加励磁制御など、
省エネルギーや保守費低減に配意した新機軸が各所に採用されています。
また高性能モータMT61形の採用により、2M3Tと電動車比率を下げた編成でも25‰の勾配区間で通常の使用ができる設計とし、
かつ2M2T編成である113系・115系と同等以上の走行性能をもちます。
国鉄末期の  年から製造されたわけですが、
高性能であったことからJRになってからも引き続き製造され発足当初のJRの顔とも言っていいような存在感でした。
グリーン車については平屋のサロ211形 (トイレ、洗面所付き)とサロ210形 (車掌室付き)が在籍していましたが、
JR東日本はこれに加えダブルデッカーをデビューさせました。

1989年登場のサロ213形 (トイレ、洗面所付き)とサロ212形 (車掌室付き)です。

2階建て車両といえば古くは、明治37年に大阪市電が2階建て車両を導入しています。
まあ、これは屋根にベンチをくっつけたオープン構造です。
1958年に近鉄が導入した初代ビスタカーこそが本格的なものと言っていいでしょう。
そうそう1985年に誕生した2階建て新幹線100系もそうですね。
ただし、大阪市電も近鉄も新幹線も標準軌です。

実質的には、「狭軌の普通鉄道による世界初の2階建て車両」ともいえる意欲作です。
これだけでも珍車ギャラリーでご紹介できる価値ある車両ですが、
バリエーションも多いのです。今回、そのなかからサロ213形1100番台を
そのまた1102号をとりあげます。

国鉄末期、景気は右肩上がりだったこともあって
東海道線東京口におけるグリーン車の需要は旺盛で、
朝のラッシュ時には着席できないようなことが起こっていました。、
そこで、当時登場した211系では2階建てのグリーン車を登場させることにしたのです。
定員は90名。
113系(111系)のサロである-サロ110、111、112、113の定員が48名からせいぜい64名ですから、これは大きいですね。

113系編成においても2階建てグリーン車を増備することになりました。
211系2階建てグリーン車、サロ213とサロ212と共通設計で導入された
113系2階建てグリーン車、サロ215形 (トイレ付き)とサロ214形 (車掌室付き)です。
ともに将来的にはペアで使うことを考えて、2形式となったのですが、実際には平屋のグリーン車と組み合わせて用いられました。
相方となるサロ110は基本的にはトイレ付きなのでサロ214形が多く作られています。

横須賀線用にもサロ124形は作られました。
しかし早くも1995年にE217系が投入され、余剰となったサロ124は順次、東海道本線に転属。
1998年には、東海道線の113系基本編成 全てに2階建グリーン車を連結することとなりました。
すべてサロ110-1200番代と連結されましたから、
サロ125はサロ124とペアになることはありませんでした。

2004年10月から2006年3月にかけ
東海道本線東京口で運用されていた国府津車両センター所属の113系がE231系に置換えられることになりました。
211系仕様である113系2階建グリーン車34両(サロ125形5両・サロ124形29両)はまだまだ使えます。
JR東日本ではこれを改造、211系に編入することとしました。

当初の計画では、これらすべてを高崎線・宇都宮線として転用する予定でした。
しかし東海道本線用グリーン車の利用率が高く、これをすべて2階建車に置換えることとしたのです。
結果、2階建グリーン車34両のうち24両(サロ125形4両・サロ124形20両)を東海道本線用に改造、211系に編入しました。

そして残りの10両について高崎線・宇都宮線として転用することとしたのです。
これが、
サロ213形1100番台(トイレ、洗面所付き)とサロ212形1100番台 (車掌室付き)です。

1000番台が加えられているのは高崎線・宇都宮線として転用するにあたって、
寒地向け仕様としたからです。

もともとトイレ付きのサロ125形はすべてトイレ付きのサロ213形に改造されているのですが、やっかいなのはサロ124形です。
トイレ設置改造をしたグループ(サロ213形)と
車掌室付きのままのグループ(サロ212形)とがあるのです。

【サロ124形211系化改造新旧番号対照】

A:トイレなし→トイレなし(東海道線用:サロ212形100番台)
サロ124-1・3・5・10・15・23~29→サロ212-101・103・105・110・115・123~129

B:トイレなし→トイレ付き(東海道線用:サロ213形100番台)
サロ124-6~9・14・16~18→サロ213-106~109・114・116~118

C:トイレなし→トイレなし(高崎線用:サロ212形1100番台)
サロ124-4・11・13・19・21→サロ212-1104・1111・1113・1119・1121

D:トイレなし→トイレ付き(高崎線用:サロ213形1100番台)
サロ124-2・12・20・22→サロ213-1102・1112・1120・1122

改造サロの車番はサロ124形のそれを引き継いでいるので、それぞれ空番を生じています。

さて、サロ124形は、1988~90年に登場したわけですが 
うち1~8は485系などから発生したTR69系を改造したTR69Iをはいています。
(9~は他の211系と同様のボルスタレス式のTR235に変更)
211系化改造をするときに台車を振り替えても良さそうなものです。
なにせ この大移動に伴って高崎区の211系編成は大幅に入れ替えを行い、
サハには大量の廃車が発生、台車は余っているのです。
しかし、それはなされませんでした。

なぜでしょう。

宇都宮線、高崎線にグリーン車が導入される直前、
すでに編成に組み込まれたサロにグリーン券なしで乗車したのを覚えています。
JR東日本にしてみれば
一日でも早くすべての編成にサロを組み込んで収益をあげたいところです。

TR69をはいていたサロ212形1100番は1104のみ、サロ213形1100番も1102のみ
各形式ともたった一両のために特別に工程表を作って手間ヒマかけることはできなかったのでしょう。
またTR69系台車は乗り心地もよく優れた台車です。問題なしと判断されました。

 サロ212-1104

211系サロは2014年にすべて引退することになるのですが、
TR69台車をはいたサロ212-1104とサロ213-1102は
一足早く、2012年9月20日、同じ日に廃車されました。


参考文献:鉄道ピクトリアル 「特集 211系213系」 2012年.12月 No870 の記事

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